浜田探検隊

一度は触っておきたい日本を代表する和紙の一つ「石州和紙」!?どんな特徴があるの!?:浜田探検隊

浜田の伝統工芸品をあげるとすれば、第一に名前が出てくるのは、「石州和紙」ではないでしょうか?

この石州和紙は国の重要無形文化財に指定されており、ユネスコ無形文化遺産にも指定されている日本を伝統する和紙の一つなのです。

石州和紙の「石州(せきしゅう)」は島根県の石見地方(いわみちほう)の別名であり、石見で作られる和紙という意味です。

現在では、特に島根県浜田市の三隅町を中心に作られています。

 

〇石州和紙の特徴

石州和紙は、楮(こうぞ)、三椏(みつまた)、雁皮(がんぴ)という3つの植物を原材料にして作られている和紙です。

石州和紙に使用される楮は、繊維一つ一つが長いのが特徴であり、和紙を作る際に繊維同士が複雑に絡みつくことで、薄くても切れにくく丈夫な和紙ができます。

また、和紙は一般的に洋紙よりも強靭であることが知られていますが、石州和紙は和紙の中でも強靭で破れにくい事が知られています。

 

このように薄くて強靭な紙質であるため、障子の紙として使用されることが多くあったようです。

ただ、現在の一般家庭では障子がある家が少なくなってきているため、障子以外にも使用されることも多くなってきており、半紙やうちわ、扇子などに使用されています。

また、石見の伝統芸能の一つでもある、石見神楽のお面にも石州和紙が使用されています。

 

私は習字を行っていたので、何度も石州和紙を触れたことがあり、薄くて触り心地が良く、筆で紙が濡れても破れずに、しっかりしていて書きやすいという印象があります。

個人的な意見にはなりますが、書初めをする時に、市販の半紙ではなく、石州和紙を使用すると、気持ちが引き締まるので、おすすめです。

 

〇石州和紙は国産原料を使用しています!

和紙は日本で作られる紙の事ではありますが、日本各地が存在している和紙の中には、外国産の材料に使用している物もあります。

外国産の材料を使用されているだけなら良いのですが、洋紙に使用される木材パルプや、古紙が混ざられている和紙も存在しています。

さらに、楮や三椏などの材料を均一にするための添加物であるネリ(糊)は、本来の和紙では、トロアオイが使用されますが、化学合成されたアクリルアミドが使用される方が多くなっています。

 

このように、和紙といっても日本の原材料が使用されていない物や、化学合成物質が使用される例が多いのです。

経済産業大臣指定伝統的工芸品「石州和紙」と表示されている和紙には、明確な基準があります。

経済産業大臣指定伝統的工芸品を名乗るためには、以下の5つが要件を満たすことによって指定されます。

 

主として日常生活の用に供されているもの。製造過程の主要部分が手工業的であるもの。

伝統的技術または技法によって製造されるもの。

伝統的に使用されてきた原材料を使用していること。

一定の地域で産地形成されていること。

 

経済産業大臣指定伝統的工芸品「石州和紙」と表示されている石州和紙を、ぜひ一度手に取ってみてほしい所です。

これぞ、日本の伝統的な和紙と言えるのではないでしょうか、触って引っ張って、その丈夫さを体験してみませんか?

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