やさか村ワタブンアートファブリックさんに取材させていただきましたけぇ紹介します:浜田探検隊
浜田から弥栄にむこうて十数キロほど走ると看板が見えてきます。
看板で曲がって10メートルほど進むと右手側の屋根があー道があーけ、そこをとおるとその奥に「やさか村ワタブンアートファブリック」がみえます。
初めての方だと入口がわかりずらいけぇ迷ってしまって、どがぁいけばええかわからんくなってしまうこともあるけぇ、曲がってすぐ右側にあることを覚えておくとえーですよ。
ちなみにわしも同じ場所を3周りましたけぇな。
元々、京都の西陣織のメーカーに向けて帯を作っていたこともありんさって、地元で表立て販売しとらんけぇね。あえて分かりにくくなっていると言いっとりました。
工場に入る前から「トン、トン」と織り機の耳ごこちの良い音が聞こえてきよって。ベルを鳴らしてお邪魔させていただくと、笑顔で歓迎していただけました。
職人さんの一人一人に取材と写真も自由にとってえーと言ってくさだいましたけぇ。写真を取らさせてもらっとります。ありがとうございます。
やさか村アートファブリックの代表の河野さんです。笑顔が素敵で優しい方で、カイコの事や絹の事を、実際の写真や、実物を触れながら教えてくださりました。
本当にありがとうございます。
西陣織の技術で一つ一つ手織りで作っとりました。
「やさか村ワタブンアートファブリック」さんの工場に入らせていただくと、ズラッと機織り機がならんどって、圧巻で職人さんの「トントン」という機織りの音が聞こえます。
よー見てみーと、機織り機の形が一つ一つちごうて、絹糸の張り方にも違いがあるのがわかります。
職人さんに、話を聞くと布の種類や繊維の状況によって調整をしておって、織り方も自分の感覚で調整しながら織っとりんさるそうです。
半年あればある程度は織れるようになりんさるが、糸の状況も毎日、少しずつ違うので毎日試行錯誤しながら織らないといけんと教えて頂き、ちいとの間、機織りの風景を後ろから見せて頂いたんですが、同じリズムで「トントン」と織っているように見えて、瞬時に糸の状況を把握して織っていることがわかり、感激しました。
ぜひ、皆さんも一度は「やさか村ワタブンアートファブリック」さんを見学していただけたらうれしいですけぇな。
知っとってほしい本真綿とキビソの事
取材させてもうてもっとも驚かされたんが、製品によって使っている絹の繊維質の違いです。
「あったかショール」と「キビソ肌ともだち」はどちらも同じ絹で作られた製品なんに、触り心地は正反対と言ってえーほど違うように感じました。
皆さんは絹と言われたらどんな印象があーでしょうか?「サラサラで優しく触り心地」良いというイメージを持っている人もようけおりんさるでしょう。
もちろん、触り心地が良うて、きめ細やかな繊維であーことが絹の特徴なんですが、同じ絹でも場所によって繊維の質感が全く違います。
「やさか村ワタブンアートファブリック」さんの商品の「あったかショール」は、皆さんが思う気持ちええ肌触り繊維で、あたたかでふわふわした触りごごちです。
本真綿という絹糸を手で紡いで作られる繊維で、ずっと触っていたくなる繊維でした。
対して、「キビソ肌ともだち」は、カイコが最初に出す繊維の「キビソ」という固くて糸の太さは不均一の部分が使われてちょって、一見するとすぐに肌を傷つけてしまいそうな印象を受けました。
しかし、「キビソ肌ともだち」を使った瞬間に肌を傷つけてしまいそうという思いは一瞬にして覆されました。
「キビソ肌ともだち」で1日肌がすべすべ
「キビソ肌ともだち」は、親孝行のための商品として開発されとって、高齢者の乾燥した肌を守り寝苦しい夜を改善してあげたいという思いで販売された商品だそうです。
現在では、肌を守る力が注目されて美容目的や、部活で肌が日光にさらされるスポーツ少年なども使うとりさって、そんな、肌に優しい商品であるんですが、使かっちょりんさる繊維はゴワゴワしていて糸も不均一、今までの思っていた絹糸のイメージとかけ離れとって驚きました。
しかし、「キビソ肌ともだち」をお湯につけて石鹸を泡立てると、ヌメリが出てきて肌を優しく包んでくれて、肌がツルツルしているのが分かって、そのまま、石鹸を洗い流しても肌の表面がツルツルスベスベしとるけぇ、まだ石鹸がついているのではないかと思うたほどです。もちろん、何度擦っても石鹸がついているわけですけぇ、泡は出てきません。
取材させてもうた日は、キビソ肌ともだちを使って手を洗わせてもらいましたけぇ、その日、1日中手がすべすべでした。
最初は、顔には使えなさそうと思いましたが、手を洗った瞬間から顔にも使いたいと思うて、取材した日から毎日、洗顔に使用しとります。
また、繊維はどうしても最初のうちは固いですけぇ、肌を傷つけそうだと心配になる人は、何回か手や体をあろうてから、使うとええそうです。
さらに「キビソ肌ともだち」は「ハードタイプ」と「ソフトタイプ」2種類があります。
キビソの繊維は元々が固い繊維ですけぇ、ハードの方が肌を傷つけそうですが、そがぁなことはなく、ハードは繊維が細かいのでヌルヌルが強く、個人的にはハードの方が好きでした。
ソフトは繊維が詰まっていないので優しい肌触りになっています。どちらも顔周りなどの肌の弱い場所にも使えるので、基本的には使用感の好みで選ばれるそうです。
温かい一点物のショール
「やさか村ワタブンアートファブリック」では、ショールや小物入れなども販売しとりんさります。
ショールを見てもらうと分かりますが、一点一点の商品が全く違う色で作られとります。
「やさか村ワタブンアートファブリック」さんでは、商品の色がかぶらないように糸の色を毎回変えておって、店舗にあるショールの色は一点物で、日によって販売されているショールは違うため、今あるショールはその時しか購入できないのです。気に入った柄のショールがあれば、その時に購入せんと二度と同じ柄のショールは販売されないのです。
手引きの本真綿糸を使った大判のショールを機織りの音から「Tu-ton-ton(ツートントン)」と名付け、“島根の田舎暮らしの余裕が伝わるモノづくり”として全国に発信しています。
もちろん、ショールとしても機能の抜群で、絹糸を使っているのでサラサラで触り心地が良くて巻いていて、繊維が肌にあたってチクチクしたりする心配がありゃーせんけぇ、非常におすすめです。
また、絹糸は温かい繊維であることも知られておって、首に巻いていると熱を逃がさず、冬にもってこいの繊維となっとります。
他の人とショールが被りたくない、ショールのチクチク感が嫌だという人は、「やさか村ワタブンアートファブリック」のショールがお勧めです。
織物体験もできますけぇ
「やさか村ワタブンアートファブリック」さんは機織り体験を行なっとって、小学生以上の方であればお電話で予約することで機織り体験ができます。
ランチョンマット2枚作成/3,500円であれば、約3時間ほどの機織り体験ができます。
贅沢に本真綿を使用した機織り体験ができ、糸の色は自分で選ぶことができますけぇ自分オリジナルカラーの布を織れます。
サイズ感としては、小物入れの布として使えるサイズなんで、手先が器用な方は、家に帰ってから、自分が織った絹の織物で小物を作れます。
その他、布のサイズや機織りの時間など、電話の予約の際にご要望を伝えんさったら、調整できますけぇ、機織り体験をしてみたいとおもっちょりさる人は、ぜひ「やさか村ワタブンアートファブリック」さんにお電話してつかーあさい。
「やさか村ワタブンアートファブリック」さんには、絹糸を使った一点物の商品を作っちょります。ぜひ、みなさんも商品を見つけたい際は手に取ってみてつかーあさい。