イノシシ肉のくさみは下処理で!:浜田探検隊
日本全国イノシシ(猪)が町に登場して、大騒ぎになっていますが、日本では古来よりイノシシ(猪)を食べる習慣があります。北日本や都市部にいるとイノシシ(猪)を食べる機会は滅多にありませんが、島根県浜田市ではおすそ分けで頂く機会が多く食する機会が多くあります。普段は他の仕事をしている方が、猟師さんとなってイノシシ(猪)狩りを行う方も多くお知り合いにおすそ分けをされているようです。
地元贔屓(ひいき)から、この島根県浜田市では、東日本より西日本、西日本の中でも中国地方、山陽よりは山陰のイノシシ肉が美味い、と言われていますが、全国の土地土地で捕れたイノシシをその捕れた地元で頂くのが一番おいしいのではないでしょうか。
秋の山で豊富なエサを食べ栄養を蓄えた12月~2月くらいに捕獲されたメス50kgくらいのイノシシ(猪)の脂身がのって最もおいしいともいわれています。赤身はまだ幼いイノシシ(猪)が美味いともいわれています。その脂身や赤身肉、豚の祖先とはいえ、やはり獣(けもの)臭いと感じる方もいるようです。その臭みも旨みとして頂くには、炭火で焼き、塩コショウでシンプルにいただくのが一番ですが、味噌味のボタン鍋をするにしても、臭みを取り除くには、しっかり下処理(血抜き)することが一番です。
血抜きをすると、100%と言っていいほど臭みはありません。それだけに、口の中で食感や本来の旨みを味わうことができます。ちなみに、慣れてくると、下茹でして肉本来の味を食べれるようになります。
下処理(血抜き)の方法は、時間はかかりますが手間はあまりかからず、意外に簡単なので、美味しくイノシシ肉を頂くためにも是非チャレンジしてみてください。
生のお肉の場合、スライスしやすくするために、いったん冷凍してから下処理を行いますが、ここでは冷凍ブロック肉からの下処理の仕方をご紹介します。
1.冷凍肉を冷蔵庫で、包丁の刃が入る程度になるまでじっくり解凍します
2.15%塩水をつくります
3.冷蔵庫から取り出し、肉を好みの厚さにスライスする
4.スライスしたお肉を15%塩水に入れます
5.15%塩水で2時間から3時間程度漬けます(漬ける時間は長くても6で塩水浸漬時間と同時間にすれば大丈夫)
↑塩水が赤くなっています
6.水を入れ替え、赤い色がなくなるまで濯ぎ、水道水を入れ2~3時間漬けます
7.5~6を赤い血がなくなり、肉が白っぽくなるまで繰り返す。
↑市販の豚肉のように白くなっています
8.お酒に漬ける、または、お酒で下茹する(写真は赤ワインで下茹でしています)
9.沸騰してあくが出てきたら、あくを取り除きます
あくを取り除いたのち、お肉を引き上げたら下処理終了です。
イノシシなどジビエで使用する野生動物は、菌類やウィルス類、寄生虫などを多く保有していると考えるべきだと思います。その為、しっかりと過熱することや、使用した道具への清潔管理は徹底してください。
清潔管理の基本は、「取り除く」「洗い流す」「加熱する」「乾燥する」の徹底です。
大切なのは、他のお肉を扱うのと同様に、まな板は野菜用と別のものを使用して、包丁は使ったらよく洗い、研いで熱湯をかけて乾燥させてください。まな板は、牛乳パックを使用すると使用したあとに燃えるごみとして廃棄できるので便利です。